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貿易に関するコラム

貿易業務を効率化!サプライチェーンマネジメントの新潮流

サプライチェーンとは原材料の調達から製造、販売、流通、販売から消費者へ提供される一連の流れです。
サプライチェーンを管理し、最適化する手法をサプライチェーンマネジメント(SCM)といいます。
効率化・品質向上・生産性向上・顧客満足度向上と様々なメリットがあり、企業の競争率や企業価値を高める重要な要素となります。
また、日本は国境を越えた原材料の調達、生産、物流等が非常に多く、サプライチェーンと貿易は密接に関連しています。
今回は、主に貿易におけるサプライチェーンについて触れながらご説明いたします。

サプライチェーンマネジメントの現状

サプライチェーンマネジメントの現状

サプライチェーンマネジメント(SCM)は、国境を越えた商品やサービスの取引が増えたことによるグローバル化と、デジタル変革(DX)によるAIやクラウド等のデジタル技術の進展により、大きな転換期を迎えています。そして、従来の効率性重視のモデルから、レジリエンスと持続可能性を重視する新しいアプローチへと進化しています。

SCMの現代的課題

サプライチェーンをより効率化・最適化するためには、常に進化し続けるデジタル技術の活用と統合。持続可能な調達のための環境負荷の低減や、循環型サプライチェーンの構築等、様々な課題が挙げられます。そのデジタル面と環境面の課題一つ一つがSCMの現代的な重要項目となります。

グローバルリスクへの対応

貿易におけるグローバルリスクには、信用リスク、為替変動リスク、運送リスク、気候リスク等があり、これらを予測し対応することで、損失を軽減したり、業績を改善し、競争優位性の確保に繋がります。
信用リスクならば、取引先の信用力の変動等により、代金を回収できないリスクが考えられます。これに対しては、取引先の信用状況を評価し与信管理を行う等し、リスクを最小限に抑えることが出来ます。
為替変動リスクに対しては、外国為替レートを常に把握するだけでなく、将来の為替を予約する等して為替ヘッジを行い、リスクを低減させることが出来ます。
いずれも貿易を行う上では、持続可能性を支える、必要不可欠な管理項目です。

DXの推進

各業務をDX化することで業務効率や生産性の向上に直接的に影響します。また、ノウハウやデジタルデータの蓄積を行うことも兼ねており、業務プロセスやビジネスモデルの改善も同時に行えます。
例として販売管理ソフト・会計ソフト・貿易管理ソフトを導入すること等が挙げられます。

環境負荷の低減

企業規模で取り組めることでいえば、省エネルギーを目指し、自然採光や自然通風を活かした設備を配置。吹き抜けや、防熱材等を設置し、無駄な廃熱を抑える等の手法が挙げられます。

需要予測の精度向上

需要予測とは、商品やサービスが将来どれだけ必要とされるかを予想することです。
予測の精度向上をすぐに正確に解決することは非常に難しいです。まずは、管理システムを導入し、デジタルデータを収集し続けることで徐々に向上させていくことが出来ます。

持続可能なSCMの実現に向けて

持続可能なSCMの実現に向けて

循環型サプライチェーンを目指す上で大きく分けて環境面と社会面の取り組みが必要です。

環境面での取り組み

CO2排出量の削減や、再生可能エネルギーの活用、廃棄物の削減を目標に、材料調達、製造、物流等あらゆる段階で環境責任を果たすことが出来ます。

社会面での取り組み

労働の強制の禁止、安全で衛生的かつ健康的な労働環境への改善、差別や非人道的な扱いの禁止、適切な労働時間の管理、賃金の確保を行う人権への配慮を行うことで持続可能なSCMの実現にさらに近づきます。

デジタル化によるSCMの実践

デジタル化によるSCMの実践

SCMの現代的課題にも挙げられるDX化。すなわちデジタル化・システム化することで、サプライチェーンの最適化や、サプライチェーンの中で様々な効率化を図れます。

リアルタイムデータの活用

在庫管理や、販売状況・需要の変動がリアルタイムに把握出来ます。また、貿易管理ソフトに関しては、日々変動する国外レートの管理にも対応しています。

レジリエンスの強化・サプライヤーやバイヤーの多様化・リスク分散戦

社員一人ひとりの業務効率向上やミスの軽減から従業員のモチベーション向上、リスク分散を行うことで、社員一人ひとりそして、会社全体のレジリエンスを高めることが出来ます。また業務が効率化することで、多様なサプライヤーやバイヤーとの取引を拡大することにも繋がります。

エンド・ツーエンドの可視化

サプライチェーンの効率化を目指す上で原材料の調達から消費者に販売するまでのサプライチェーンを可視化することも重要な項目となります。
特に貿易業務となると、各物流拠点に提出する関連書類が多種多様で複雑です。その上で各書類を作成する人、管理する人が常に全体の流れを把握することが大切です。

今後の展望

SCMの今後の展望

ブロックチェーン技術を活用しつつ、より効率的な業務を実現させることはもちろん。サステナブルSCMにも取り組み、ローカルとグローバルネットワークの最適なバランスの追求を目指していきます。

循環型経済モデルとの組み合わせ

資源な効率的な循環利用や在庫の有効活用により、資源消費の最小化や廃棄物の削減に繋がり、環境負荷軽減やコスト削減、製品の価値の最大化へと繋がります。

データツインの普及

販売管理システムや貿易管理システム、会計管理システム等を導入し、連携させることにより売上や在庫、サプライヤー毎のレート等を管理することが出来ます。また、それに応じた請求書の発行や、発注書の発行を同時に行うことも出来、貿易関連で言えば数多くの貿易書類の発行も同時に行い、データ上でも管理が出来ます。
さらにクラウド上で管理することで、海外支社や在宅勤務等、業務の場所も問いません。場合によってはサプライヤーが直接ネットワーク上で注文をすることも出来るとなるとデータツインの普及は欠かせません。

持続可能性指標の重要性増大

持続可能性の3大要素でもある「環境保護」「人権尊重」「経営の透明性」の重要性は今後高まっていきます。この持続可能性指標とSCMは密接な関係であり無視はできません。

実践的なアプローチ

SCMを行う上で実際にどう取り組んでいけばいいのか。まずは現在の自社での取り組み、働きかけはどういったことが出来ているのかを知る必要があります。

サプライチェーンの可視化度の評価

材料調達から販売までの複雑な動きを詳細に管理出来ているレジリエンス(回復力)を兼ね備えたサプライチェーンであれば、不足な事態や混乱への抵抗力があり、影響を制限することが出来ます。

リスク評価とBCPの見直し

調達から販売まで途絶えたり、滞ったりしないかサプライチェーン自体のリスク管理ももちろんですが、自然災害やパンデミック、貿易業務であればテロや戦争等の国際的問題に対応出来る態勢を見直す必要があります。

デジタル技術導入のロードマップ作成

ここまでの説明でSCMにデジタル技術導入は必要不可欠であり、始めの第一ステップということはお判りいただけたでしょうか?
それだけ重要な項目なのですが、1日2日ですぐ導入が出来るものでもありません。
サプライチェーンの方法は各社さまざまで、管理項目も業種や製品によって多岐に渡ります。自社にあった適切な管理システムを選んだ後、さらに打ち合わせから要件定義を行い、より最適なシステムに近づけていきます。稼働テスト等を行うと考えると問合せから導入まで少なくとも半年から1年は想定されます。

結論

現代のSCMは、効率性だけでなく、レジリエンス、持続可能性、そしてデジタル化の統合が求められています。企業は、これらの要素を巧みに組み合わせながら、次世代のサプライチェーンを構築していく必要があります。
継続的な改善と革新が、これからのSCMの成功には不可欠です。市場環境の変化に柔軟に対応できる体制づくりが企業の競争力を左右する重要な要素となるでしょう。

貿易業務の効率化!貿易管理システムWATS

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